(つまらなくて悪かったわね……)



ふと、雅を見れば、無表情にも近い顔で
、女を見下ろしていて。



そしてその薄い唇が、ゆっくりと開かれ
た。



「お前は俺を楽しませられるのか」



雅がそう言った瞬間、パアッと顔が輝く
女。



今がチャンスとばかりに、甘ったるい猫
なで声を喉元から繰り出す。



「もちろぉん!獅童様の仰せのままに、
なんでもしちゃいますよぉ」



……なんだろう。いい加減、イライラす
る、この子。



なんでいちいち語尾を、小さくした母音
で伸ばすのかしら。それが流行なの?



───というか。



これで雅がこの子を選ぶんだったら、雅
ってきっと相当趣味が悪いんだわ。──
まあ、そっちの方が気楽で良いんだけど