ドスの効いた声でそう言うと、男が泣き
そうになってから、震える声で「一番奥
の部屋です……」と答えた。
多分この様子じゃ嘘はついてないだろう
から、本当なんだろう。
雅はそいつの頭を離すと、俺らを一瞥し
た。
「行くぞ」
俺らはそんな雅の言葉に頷いて、奥の部
屋へと進んでいく。
あいつ、無事だろうか……。つか、なん
でこんな弱っちい奴らになんか捕まって
んだよ。俺だったら、
……俺だったら──。
そこまで考えて、自己嫌悪に陥る。
"俺だったら"、なんだよ。
麗は俺じゃねーんだ。もう元が違う。
喧嘩慣れしてる俺じゃ、こんなヘマはし
なかったけど、麗は喧嘩とは無縁だ。


