「最近他の奴らに目立った動きが無いか
らって、油断してた俺も悪いから。今は
麗ちゃんを助けることだけを考えよう」
「そーだよ。うじうじ悩むなんて、悠ら
しくないぜ~?」
類に加わって、仁斗もそう俺を慰めてく
る。
……そうだな。
今はなによりも、アイツを助けることが
肝心だよな。
「じゃあ……乗り込むぞ、お前ら」
目を鋭く光らせてそう言った雅を合図に
、俺たちは外へと飛び出した。
麗を連れ去った奴らの本拠地は、わりと
すぐ近くにあった。
そこは町外れにある廃工場で、ここで、
"紅蓮(ぐれん)"という族が活動してい
るらしい。


