犯人は、最近力をつけ始めた暴走族らし い。 こうなることがわかってたから、麗に護 衛をつけてたのに……。 「悪ぃ……俺のせいだ」 一度全員集まろう、という類の提案で、 倉庫に戻ってきた俺は、そう言うと唇を 噛み締めた。 これほど自分が情けなかった事はない。 ふと、俺のせいで恐怖を味わった空の事 を思い出す。 結局俺は、誰一人守れやしねぇ……! 「悠、落ち着いて。悠だけが悪いんじゃ ない」 強く唇を噛みすぎて、血を滲ませる俺を 宥めるように、類がそう声をかけてくる 。