彼女たちの証言によると、こうらしい。 一台のバイクの前で誰かを待っていた女 がいきなり不良っぽい三人組に囲まれて 。 女はそのまま、金髪の男に担がれて、連 れていかれたらしい。 ──麗だ、と思った。 バイクの前で待ってた美人で髪の長い女 なんて麗しか当てはまらない。 俺は、ぎゅ、と拳を握った。 完全に、俺の注意不足だ。 俺はバイクに跨がるとすぐに雅に電話を かけた。 「もしもし、雅!?」 『どうした。そんなに慌てて……』 「麗が拐われた!」