そう、目の前の医者の言うことを、全て
鵜呑みにしてしまうくらいに──。
「ですが、すぐに手術をすれば助かりま
す」
そんな医者の言葉に、俺達は目を見開い
た。
真っ暗だった場所に、まるで一筋の光が
射し込んだようだった。
「本当、ですか……!」
「はい。明日にでも。……手術費は、少
々かかってしまいますが」
「それでいいです……!あの子を……紗
智を、助けて……っ!」
泣き崩れながらそう言う母さんの背中を
父さんは撫でて、そして頭を下げた。
「お願いします……」
もちろん俺も、頭を下げた。
紗智が助かってくれるなら、それで良か
った。
もう一度……もう一度──。


