おつかいでも頼むつもりかな、なんて能
天気に考えていた俺の耳を貫いたのは、
悲鳴にも近い、母さんの声だった。
「──春希っ……!紗智が…紗智がっ」
紗智っていうのは俺の二個下の妹の名前
で、狂ったようにその名前を連呼する母
さんに、嫌な予感がした。
「母さん落ち着いて!紗智がどうしたの
……?」
「きゅ、急に倒れて……病院に──…」
一瞬、目の前が真っ暗になった。
だって昨日まで、一緒に笑いあっていた
のに。
「……すぐ帰るから」
俺はそう言って、通話を切った。
大丈夫。きっと貧血とか、そんなんにち
がいない。
家に帰ると、父さんも既に帰っていて、
俺達はすぐさま病院に向かった。


