きっと、だとか。いつか、だとか。



そんな確証のない不確かなモノにしがみ
ついている。



滑稽だって笑われてもいい。

哀れだと蔑まれたっていい。



だってもう、俺に出来るのは祈る事と、
信じる事だけなんだ──。



「……ねえ春希」



二人で並んでいると、不意に麗ちゃんが
声をかけてきた。



麗ちゃんの方を見れば、何かを考え込む
ように目を僅かに伏せている。



……麗ちゃんから話かけてくるなんて、
珍しい。



「どうしたの?」

「なんで雅は、私を姫になんてしたのか
しら」



真っ直ぐに俺を見つめて、そう聞いてく
る麗ちゃん。