麗ちゃんはなんか類に警戒心を抱いてる
みたいだし、悠は麗ちゃんを敵対視して
るし……。



そんな二人と登下校一緒じゃ、疲れるの
も仕方ない。



「じゃあ今日は俺だから癒されるんじゃ
ない?」

「そうね。何も考えなくて済むわ」



……何も考えなくてって麗ちゃん……。
それはそれで酷く無いですか。



どんだけ意識されてないの、俺。



だけど、深く他人に干渉してこようとし
ない麗ちゃんだから。



そんな麗ちゃんだから、気に入ったって
いうのも本当の事で。──そんな麗ちゃ
んだから俺は……。



俺は、淡い期待を募らせてしまう。



彼女にあの子を重ねて、あの子もいつか
、麗ちゃんのように目を開いて、美しい
声で言葉を紡ぐんじゃないかって。



それが夢物語だなんて、思いたくなくて