そう言われて空の方を見ると、銀髪の男
と何か話していた。



ふと、周りを見れば、あんなにたくさん
居た男共が一人残らず倒れていた。



「これ、全部あんたが……?」

「ああ」



──スゲェ……。



何が凄いって、この人数を倒しただけじ
ゃなく、その身体に一つもキズがないと
いう事。



まったくの無傷で、この人数を……?



やがてしばらくすると、空が駆け寄って
きた。



「兄ちゃん……!」



泣きそうな顔で駆け寄ってきた空の首を
見ると、丁寧に包帯が巻かれていた。



これも……やってくれたのか。



「……空を助けてくれて……ありがとう
ございます」



俺がそう言うと、その男は少し微笑んだ