あの日から、俺は。 ずっと、貴方だけを。 「……だりぃ…」 行きたくもねえ場所へ歩いてる途中で、 ぼやくようにそう呟く。 朝から俺のイライラが絶頂に達しそうな 勢いだ。 なんで俺が、あんな女の登下校につかな くちゃいけないんだ。 あんな女っていうのは、美作麗の事。 俺の中では生意気な女でしかねえ。 あの雅が直々に、"姫"の立場に置いてく れるっていってんのに、それを嫌がる女 。 姫に───雅の隣に並ぶって事が、どれ だけ貴重なのかをわかってないバカ女。