「そのままの、意味よ?」



今日二度目のやり取り。



この世界にまるで執着していないかのよ
うな、瞳。



彼女の心の内が、見えてこない。



麗ちゃんが何を考えているのか、理解し
かねている俺が居る。



「……そんなことしたら、雅に殺される
よ」



ちょっと冗談めかしながらそう言うと、
大袈裟だと彼女は言ったけど。



大袈裟じゃなく、本当に。


雅はきっと、彼女が人質になんてとられ
たら、どんな危険を犯してでも、助けに
行くに決まってる。



「ああ、あとそれから、今朝、麗ちゃん
に寄ってきた奴らだけど」


「ああ。あれはビックリしたわ」



なんて、無表情で言う麗ちゃん。



本当?と聞き返したくなるくらいに凍結
された表情。