だから興味が湧いた。


雅を前にしても、ブレないその姿に。


なにもかもを閉ざしたような、翳った瞳
のくせに、いつも凛としているその姿に




学校に着くと、数人の男にいきなり挨拶
されて、麗ちゃんがビックリしてた。



表立って顔には出ないけど、肩がピクッ
と跳ねていた。



そんな麗ちゃんを微笑ましく思いながら
、麗ちゃんをそのまま資料室へと連れて
いく。



そういえば、俺らの縄張りに、女の子を
連れてきたのは麗ちゃんが初めてだ。



そもそも、姫という立場に誰かを選ぶこ
と自体が初めてだった。



むしろ、雅が言い出すまで誰も覚えてな
んか居なかっただろう。



だから皆、それがどんな感情であれ、彼
女に興味津々なんだ。



雅が選んだという女の子が、どれほどの
女の子なのか、ということに。




「……また、授業をサボらせる気?」