『なーに、どうしたの将光』 まだ慣れないセーラー服をまとい、美琴は微笑んだ。 「ううん、何でもない」 何だか、消えてしまいそうな気がしたから。 そんなことを言ったら美琴は笑うだろう。 『バカだなぁ将光は』って肩をすくめながら可笑しそうに言うんだろう。 『ねー、将光はどうして私立の中学に行かなかったの?』