「両者準備はいいか。それでは…はじめ!」 号令がかかったが、 平助とは違って、斎藤は一歩も動かない。 だからと言って、あたしもむやみに攻撃出来ない。 …斎藤は、隙をなかなか見せないからだ。 「…。」 しばらくの間、探り合いが続いたが、 じれったいのであたしが先に動いた。 「やーっ!」 素早く斎藤の前に移動して、木刀を振り下ろそうとすると、斎藤が一旦木刀を腰に戻した。 …まさか…