あたしは島原の中を駆け回りながら、
誰も使ってない空いている部屋を探した。
廊下の角を曲がったすぐの部屋とかに入れば、気づかずに通り過ぎるはず!!
…とはいっても。
こんな走って逃げているというのに、
いちいち立ち止まって部屋の中を確認する余裕なんてないんだぁああ!!!
「誰か…透視できる人いない?
…いないよね…ははっ←」
独り言ばっかで、
気持ち悪いとかいわないで←
…。
仕方ない。
次の角を曲がったら、
一か八かで部屋に飛び込む!!!
…とか考えている間に
引き離せれてたらいいのになぁ。
とか思って後ろをチラッと見たけど。
「…。」
当たり前に追いかけて来てますね、はい。
普通は迷惑客とかで追い出されるはずなのに。←
鈴ちゃんが手を回してるから、
お店の人も何も言わない←
あたしは心の中で溜息をつき、
他の人に頼るのはやめて、
逃げる事に専念しよう。うん。
と、自分に言い聞かせた←
そして、
相変わらず超ゆるく走ってる土方。
いいもん。
絶対に捕まってなんかやらねぇし。
何故か土方に対抗心を燃やしながら逃げていると、向こうの方に廊下の角が見えてきた。
…!よし!あそこだ!
あたしはそれを見つけたと同時に、
過呼吸で死んでもいいぐらいに、
乱れる呼吸を無視して、
全速力で走った。
そして、
「とぉおりゃあああ!!!」
滑りそうになる曲がり角を、
スピードを落とさずに気合で曲がり、
曲がったすぐそこにあった襖を勢いよく開け、部屋に飛び込み、
パシンッ!!!
勢いよく閉めた←
「はぁっ…はぁっ…っ!はぁ…」
マジで死ぬかと思った…←
一か八かで飛び込んだ部屋は、
幸いにも誰も使ってない空いている部屋だった。
明かりもついてなく、
真っ暗だ。
あたし、超運がいい←
「はぁっ…はぁっ…」
あたしはその場にぺたんと座り込んだ。
早く息を整えなきゃ…!!!
部屋に飛び込んだはいいものの、
肝心の土方が通り過ぎてないため、
全く油断が出来ない。
こんな荒い呼吸してたら、
すぐばれちゃう!!
部屋の奥に行かなきゃ…
あたしが座りこんだのは、
襖のすぐそば。
出来るだけ奥にいって
身を潜めとかないとね。
あたしは、
ふらふらしながら立ち上がった。
が。
立ち上がって一歩踏み出した瞬間、
明かりがないはずの部屋に、
月明かりが差し込んできた。
…。
あれー、
何で締め切ってるはずの部屋に
月明かりが差し込んでくるのかな←
答えは簡単だ。
「随分一生懸命逃げるじゃねぇか、
杏子さんよぉ?俺はまだ何もしてねぇぜ?」
A.土方が襖を開けたからです。
つか、そうだよ!
まだ土方に楠木日向だって
ばれたとは決まっていない!!!
何を焦る必要があるんだ!
しらばっくれればいいじゃん!
あたしはそう思い、
思い切って土方の方を振り返り、
「すいません、急いで担当の者をお呼びしようとしたんどす。そしたら、お客様の方から追いかけてきはるから…」
とりあえず逃げてみたんどす←
と、京言葉で頑張って話した。
(なんと無茶な言い訳w)
にっこり営業スマイル付きで←
流石に土方の顔は
まともに見れなかったが←
すると、
ほう?と土方は口角を上げて、
パシンッ
と開いていた襖を閉めた。
「…へ?」
え、ちょ、え。
何か閉められたんですけど。
超怖いんですけど。
そして、上からめっちゃ視線を感じる←
怪しまれてる、絶対怪しまれてるよ!
まさかばれた!?
ばれたのか!?
「…。」
暫く流れた沈黙を土方が破った。
…爆弾発言で。
「担当の奴とかどうでもいい。
今日はテメェにしてやるよ。
相手…出来ないとか言ったら
どうなるか分かってるよな?」
…。
脅迫ーーーーー!!!!!

