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「はぁっ…はぁっ…」
だああああ!!もう!!
着物と簪が重すぎるうう!!!
着物の裾を持ち上げて
頑張って走るが、
全くスピードが出ない。
土方を巻くどころか、
あいつは追いかけてくるし、
距離はどんどん近くなるし、
体力はなくなっていくし。
しかも、あいつ、
超ゆるく走ってるじゃねぇかチクショー!!!!!
舐めた真似しやがって…!!!
鈴ちゃんは、頑張ってね!
って言ってたけど、
何をどう頑張ればいいんですかぁああ!!!!!
A.きちんと新撰組の人たちと向き合うことだよ☆by鈴ちゃん
んなこと、出来るわけないだろおお!!
向き合うどころか、
逆走してますから!!!!!
逃げてますから!!!!!
よし決めた!!
あたしは全力で、
逃げる事を頑張ります!!!!←
…何処かで鈴ちゃんの溜息が聞こえたのは気のせい気のせい。←
「はぁっ…!誰かっ!!」
かくまって!!と言おうとしたが、
廊下を歩いている花魁さん達は皆、
「頑張って☆杏子ちゃん!」
…。
応援されたよ!?
他人事のように応援されたよ!?
島原の中でこんなに走り回っているというのに、何で応援!?
むしろ注意するんじゃないのか!?
あたしが、
パニックになっていると、
頭の片隅にふと鈴ちゃんの顔が浮かんだ。
…黒く微笑む鈴ちゃんの顔が←
あぁそうか。
「皆、グルかよこんチクショおおお!!!!!!!!」
だって、
ろくな仕事をしていないのに、
豪華な着物をくれる訳ないし、
そこそこ人気のあるらしい新撰組の相手を、お手伝いのあたし一人が担当出来るわけないし、
そして、皆、他人事のようにこの逃走劇を楽しんでいらっしゃるし!!←
「のぉおおおおおおおお!!!!」
多分、皆、
親切でやってくれてるんだと思うけど!
この状況で味方がいないのは、
キツイです!!!!

