「なっ…!?」 そして、また一定の距離を取った。 あたしは一呼吸置いて、 「今度はこっちからいくよ!」 タッと床を蹴った。 そして、平助に向かって走った。 「とりゃっ!」 平助の目の前に来た時、 平助が木刀を振り下ろしたが、 「ざーんねん、遅い!」 足の速さとすばしっこさには自信があるもので。 あたしは当たる直前に懐に入り込んで 首元に木刀を突きつけた。 五秒くらい時が止まったように 道場が静まりかえった。