「よし、じゃあ準備はいいか」
平助とあたしは頷いた。
…。
道場が一瞬で緊迫した空気に変わった。
あたしが負けることは無いと思うけど、
一応気を抜かないようにしないと…
「日向〜、頑張ってね〜」
横から沖田の気の抜けるような声が聞こえてきた。
この空気を読めないのか沖田…
「それでは、…はじめ!」
「いくよ!」
土方の号令と共に平助が動いた。
あたしに向かって斬りかかってきた。
バシッ
あたしは平助の木刀を受け止めた。
やっぱり男と女じゃ力の差があり、
あたしの方が押されている。
けど…
「俺をそんなに甘く見ないでよ?」
「…?」
あたしはニヤッと笑うと、
平助の木刀を弾き返した。

