猫又かぁ…


だからこんなに可愛らしいのね←


鈴ちゃんが自己紹介をしたので、
あたしも一応しておく事にした。


「…楠木日向。
一応、白狐の一族の者だ。」


「ええ!?白狐!?凄い!!!」


すると、鈴ちゃんは目を輝かせた。


…そんなに有名なのか…?
(そりゃ、絶滅したってなってるからね)


「とりあえず、何で俺は此処に…?
…というか、此処どこ?」


男装しているので、
とりあえず一人称を俺にして聞いた。


あたしは、
キョロキョロと辺りを見渡した。


みたところ、
部屋の外は何か賑やかだし、
建物や部屋も結構綺麗めだから、
何処かのお店だと思うんだけど…


そして、目の前の鈴ちゃんも
とても豪華な着物を着ていらっしゃる←


此処のお店で働いているのだろうか…?


「えっとね、私が夜道を歩いていたら
人じゃない弱ってる気配がしたから其処に行ってみたの。そしたら、血塗れの日向ちゃんが倒れてたから…
此処に連れて来ちゃった☆」


テヘッ、と効果音が付きそうなぶりっ子めの言い方でも、全くイラっとしない。


というか、むしろ超可愛いんだけども。


何だこの生き物は。
(いや、猫又ですが。)


とてもとても和む←


そして、此処は何処なのかという質問にきちんと答えられてないという事に気づいていない天然さがまた可愛い←


そして、ちゃっかり男装ばれてる事については、もういいよ…。


スルーしようではないか…。


「えっと、ちなみに此処は何処?」


「此処はね、島原だよ!」


島原…?
島原とは…?


「島原って…?」


あたしが、頭にハテナを浮かべていると
鈴ちゃんがえぇっ!?と驚いた。


「知らないの??」


「うん。どんなとこ??」


前に三馬鹿あたりの奴らが、
島原がどうとか何とか
言っていたような
言っていなかったような…


けれど、通りすがりに聞いただけだから
どんなとこなのかさっぱり分からない。


「え、えと…、島原はね…?」


何故か急に顔を真っ赤にした鈴ちゃん。


どうしたんだろうと、
首をかしげていると、


鈴ちゃんがそっと耳打ちしてきた。