すると、また
楓月の声が頭に響いた。
『…目の前の男を殺しなさい。』
は!?
「意味がわかんない!此処から出せよ!!」
というか、目の前どころか何も見えないんだよ!!!
あたしはこの状況をどうにかしようと、
身体を動かしたが、動いているのかどうかも分からない。
『…男を…、新撰組を殺しなさい。』
またも頭に響いた楓月の声。
「んなこと、するわけないだろ!」
楓月の言葉が何回も頭の中でリピートされる。
『新撰組を殺しなさい。』
「やめろ…っ!」
あたしは必死に頭を振り、
否定した。
周りだけじゃなく、あたし自身も黒く染まっていく感じがした。
どんどん心が消えていくような気がした。
『殺すのです、新撰組を。』
「!?やめて…!!」
やっと感じた感覚は、
刀を握りしめる感覚。
『…殺しなさい。』
「お願い…やめ…」
刀を振り上げた感覚を最後に、
あたしは意識を失った。

