「…手荒い真似はしたくはなかったのですが…」
楓月が溜息をついた。
そして、手のひらをあたしの目の前に突き出したかと思うと、
『…止まりなさい。そして、我に従うのです。』
「…っ!?」
そんな声が頭の中に響いたと同時に、
金縛りにあったように身体が動かなくなった。
…またこれかよ…っ!!
あたしは必死に身体を動かそうとしたが、全く身体が言うことを聞かない。
「日向!?」
あたしの異変に気づいたのか
沖田があたしを軽く揺する。
が、返事をすることもできない。
くそ…!!!!!
あたしが楓月を睨むと、今度は、
『…力を解き放ちなさい。』
そんな声が聞こえた。
その瞬間、
「は?…うあ…っ!?」
あたしから勝手に妖力が引き出され始めた。
「う…あ…っ!」
自分でやるのは何ともないが、
他人に妖力を引き出されるのはだいぶ苦しい。
みるみるうちに、髪は白く染まり、
目は紅くなった。
頭からは狐の耳、お尻からは狐の尻尾。
「…はぁっ…はぁっ…」
つまり、
…半妖化。
人間としての力も使えるし、
妖怪としての力も使える、
あたしの最も強い状態。

