はぁ…とあたしは溜息をついた。
「こんなんじゃ運べるわけねぇだろ。
…ちょっとそのまま動くなよ。」
「へ?」
あたしは、いったん手を離し、
平助の額と長倉の手に、
あたしの手をかざした。
「はぁ…」
もーちょい早く思い出しとけば良かった
と、苦笑いして目を閉じた。
そして、小さく息を吸い、
「…この者たちの傷を癒せ。」
そう言うと同時に、
二人の傷のところが緑色に光った。
そして、みるみるうちに傷が塞がった。
…何で今まで忘れてたかなぁ…
そうだ。
あたしが強くて
怪我なんてしないからだ←
と納得していると、
「…!?傷が治った!?」
長倉が指を開いたり閉じたりしながら
驚いた。
「妖術はまやかしでも、あたしの治癒能力は本物だ。…まぁ、平助のは時間がかかるかもしれない。応急処置ぐらいにはなるだろ。」
「おお!すげぇ!」
驚いている長倉をよそに、
あたしは平助を見た。
傷は布を巻いているから分からないが、
さっきよりは顔色も戻ったし、
表情も安らかになった。
…良かった。
あたしは安堵の溜息をついた。
そして、
全身が汗だくだったことに気づいた。
「…。」
知らないうちにあたしは
物凄く焦ってたんだな…
こんなに人の為にハラハラするなんて、
あたしも
「変わったもんだなぁ…」
そう呟いた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
けれど、
焦るどころじゃなくなる事態が
あたしを待っていた。

