「!?」


あたしは必死に逃げようとしたが、
顎をがっちり掴まれていて
逃げる事が出来ない。


そして、何度も何度も
接吻される。


…気持ち悪い以外の何者でもない。


「杏子ちゃん…」


そう名前を呼ばれた後、
いつの間にか畳が背中に当たっていた。


…いや、背中が畳についたんだ。


あたしは、古高に押し倒されるかたちに
なっていた。


どんどん深くなっていく接吻。


「んんっ…!やめてください…!」


あたしは、意識朦朧とする中、
山崎に言われた事を思い出した。


「お願い、やめてください…!」


もし、襲われそうになったら、


「はぁっ…!だから、やめて…!」


任務なんかどうでもいいから、


「やめ…て…」


自分の身を守りなさい、と。


「やめてください…!












…って、言ってるのが聞こえないのか、
この変態野郎。」


「!?」


古高の手が胸に伸びた瞬間、
あたしは土方から貰った脇差しを懐から出し鞘から抜いて古高に突きつけた。