新撰組と妖狐ちゃん!



「…にしても、お嬢さん、
暴漢に襲われるなんて大変やったなぁ」


もぐもぐとおはぎを食べているあたしに
聞いてきた。


「もぐ…はい、夫が亡くなって、もぐ、
長州出身のあたしには、周りからの風当たりがどんどん強くなって…もぐ、
ついには、国の反逆者だとか言って、
暴漢が襲ってくるようになったんです…もぐ。」


もぐもぐ言いながらも、
あたしは、渾身の演技で、
夫を亡くした悲しみを表現した。


もちろん、全部嘘だ。


…まぁ、長州出身はあながち間違ってはいないが←


すると、男は、


「お嬢さん、長州出身の方なんや!?
ここのお店は、長州を贔屓させてもろうとるし、私も長州出身なんや。
だから、いつでも此処に来んさい。」


あたしの手を取って言った。


根がいい人っぽいから、
親切で言ってはくれてるんだが…


あたしは、男の顔を見た。
…鼻の下が伸びている。


あたしが、夫を亡くした人妻という設定だからなのか、


…下心もありありのようだ。