「よし、レッツラゴー」


部屋を出て行こうと立ち上がり、
襖に手をかけると、


「おい、ちょっと待て。」


またもや、引きとめられた←


…何なんだよ、全く。


あたしが、振り返ると、
土方があたしに何かを渡してきた。
…というか、投げつけてきた←


うわ!と、慌てて掴んだソレは、


「何これ、脇差し?」


黒い鞘には、
紅い花の模様が施されている。
…何の花かはわかんないけど←


刀を抜いて見ると、
キラリと刃が白く光った。


…綺麗な脇差しだな。


しかも、新品だし←


「その格好じゃ、刀は持てねぇ。
万が一の場合に持っとけ。
お前なら、脇差しだけでも充分だろ。」


あと、化けの皮が剥がれないようにな←


そうつけ加えて、土方はそっぽを向いた。あたしは、ニヤリと笑い、


「ふん、そう簡単にバレてたまるかよ。
あたしが、長州相手にヘマやらかすと思うか?」


そう言った。
脇差しを懐にしまって、襖を開けた。


「んじゃ、行ってくるわ。





…脇差し、ありがとな。」


そう言って、
あたしは土方の部屋を出た。