「おら、離してやったんだから
とっとと話せ。」


そう言って、また部屋のど真ん中に戻した


…だから、ど真ん中はないだろ…
と、呆れている日向の声は聞こえない聞こえない。


諦めたのか日向は素直にそこに座り、
改まって、


「まぁとりあえず、あたしは人じゃない。見ての通り、狐だ。


…ただの狐じゃないぞ?
あたしは、狐の妖怪、白狐の一族だ。」


俺の欲しかったシリアスな感じで言った。


なんとなくドヤ顔しているように見えるのは気のせいだろうか…←


だが、シリアスな雰囲気には似つかわしくないこの日向の姿。


その雰囲気を崩してしまったのは
俺自身だった。


…。


「…ぶっ(笑)
恐ろしげに言ってる割には
案外可愛らしいのな(笑)」


改めてきちんと姿を見ると、
身体は小さくモコモコしてて、
毛並みはサラサラフワフワ、
紅い目はクリッとしていて、
まさにぬいぐるみって感じだ。


「う、うるさい!
あたしはまだ子供な方なんだよ!!
成長すればもっと立派な…」


「…別に貶した訳じゃないんだが…」


そう呟いた俺をよそに、
日向は必死に自分の未来像を語っていた←