「…。」
しかし、さっきと同様、
キョトンとしたまま答える事はなかった。
「おい、土方さん、
やっぱり日向じゃないんじゃないか?
何も反応しないし。」
俺らの様子を見兼ねて、新八が言った。
「いや、こいつは絶対ぇ日向だ。
間違いねぇ。」
この憎たらしいところがまさに。と、
付け加えた。
「まぁ、普通の狐じゃない…妖怪だってのは分かったけどよ…。
話しかけて答えないのも、襖を開けようとして爪でガリガリなっちまうのも、
動物なんだから仕方ねぇんじゃないの?」
別に悪気があってやってる訳じゃないだろ、と、原田。
すると、平助が俺のとこまでやってきて
俺に掴まれている日向をモフモフと触りながら言った。
「ほら、こんなに可愛いんだしー、
悪気があった訳じゃなもんなー?」
と、日向にベタベタと触りながら
話しかけた。
…。
とたんに、日向が不機嫌になったように
見えたのは俺だけだろうか…
されるがままに平助に触られていた日向はピトッと平助の頬に手を置いた。
「…!?」
そのまま動かなくなった日向に、
平助は何故か顔を青くした。
急に固まった平助と日向に、
どうした?と声をかけようとした瞬間、
ガリッ
「痛ってぇ!!!!!」
日向が平助の頬に置いていた手を、
そのまま滑らせた。
…というか、引っ掻いた。

