ボーッと昔の事を思い出していると、
沖田が不思議そうに顔を覗き込んできたので、あたしは、ハッと我に返り、
今、買い物の途中だった事を思い出した。
「…つか、買い物の途中だったな。
えっと、次は…」
「服じゃなかったっけ?ほら、こっち」
そう言って呉服屋に連れて来られた。
中に入ると、いろんな着物や袴が並べてあった。
あたしは、ふと思った事を言った。
「沖田、考えたんだけど、あたしは
誰かのお下がりとかでも充分だぞ?
今もあんたの服着てるし?」
別に男装してるし、
おしゃれなんかする必要ないし、
いざとなったら妖術でどうにかなるし?

