「ふぅ…」
あたしは一息ついて、刀を納めた。
「あの…」
呼ばれたので後ろを振り返ると、
さっきの女の子だった。
「あ、ごめんなさいっ!店前で…」
あたしは咄嗟に謝った。
なんか余計な事したかもしれない…
「いえっ、助けてくれて
ありがとうございます!!
なにかお礼がしたいのですが…」
「お、お礼なんていいですよ!」
「お礼させてください!」
…わぁー、意外と頑固だこの子…
グイグイと腕を引っ張る女の子の手を
離して、
「ごめんなさい、
ちょっと急ぎの用があるんで
もう行くね!」
そう言って、あたしはダッシュした。
お礼なんてされるほどの事じゃないしね
けど、それ以前にさぁ…
あたしは、走りながら
後ろをチラッと見た。

