学校一のモテ男といきなり同居

エレベーターを待っていると、ちょうど１階に着いたみたいで扉が開いた。




中から、派手なスーツを着た男の人が数人出てきて、あたしをジロジロと見ながら去って行った。




……怖い。




こんなところに住んでちゃダメだよ。




一刻も早く、郁実にはウチに戻って来てもらおう。




そう思いながらエレベーターに乗り、２階のボタンを押す。




そして、フロアにおりたつけれど、どう見てもマンションの部屋っぽくない。




雑居ビルだし、どちらかと言うとオフィス。




２階には２部屋しかなくて、１つあるうちの扉が少しだけ開いていた。




……ってことは、開いていない方の部屋なのかな？




ドア枠とドアの隙間からかんぬき部分が丸見えで、住むには心許ないような気もする。




……ホントにここに住んでるの!?




半信半疑で、鍵穴に合鍵を突っ込んでみた。















……あれっ。




途中でひっかかりがあって、奥まで入れることができない。




ということは…




扉が少し開いていた方ってことなの？




そっか、忙しいとか言いながら…郁実、もう帰って来てたんだ!?




あたしが来るから、開けておいてくれたのかな。




今までの不安な気持ちも吹っ飛び、郁実に会えるかもしれない喜びに満たされる。




嬉しくなって、開いている方の扉に近付いた。