私は今日のことを思い出せるだけ話し、冬馬兄ちゃんは口を挟まず聞いていた。 夕食も食べ終わって、今は二人でコーヒーを飲んでいる。 話し終えた私を見つめ、冬馬兄ちゃんは言う。 「俺も美和に話があるんだ」 いつもと変わらない笑顔。 「なぁに?」 問うと、冬馬兄ちゃんはまた笑う。 「ほんとは断りたかったんだけどさ」 小さく言う。