……。 「大丈夫、気を失っただけ」 「手…見せて。止血しなきゃ」 「救急箱とかある?」 複数の声が聞こえる。 どこか遠くで、声が響く。 「美和」 優しい、冬馬兄ちゃんの声。 「冬馬兄ちゃん……?」 微笑む冬馬兄ちゃん。 「もう大丈夫だから」 優しい声に、涙が溢れる。