良明くんが出ていってすぐに麻実ちゃんが呟いた。

「遊んでそうな奴だね」

「そ、だね」


「で?付き合うの?」



ご飯を口に運びながら聞いてくる麻実ちゃん。


「わかんない」と言うのが本音だ。


見た目は悪そうだが、話せば明るくて人の良さそうな良明くん。


あ、名前の通りだ。

「でも美和は冬馬さんが好きなんでしょ?」


「うん。でも……」


でも、冬馬兄ちゃんは私のことなんか全然相手にしてくれない。


それだったら私のこと「好き」って言ってくれる人の傍の方が……。



その人の傍の方が、幸せなのかも。

そう思っちゃうよ。