好きだなんて言わなければよかった【完】



「……なに?慎也と紗綾は、知り合いなわけ?」



そんな慎也くんを見た真生くんが軽く顔をしかめて、私に問いかけた。




「…そ、そうなの!ねー、慎也くん!」



「…あ、うん」




未だに、顔を赤くしている慎也くんだが、どうやら、私の嘘に付き合ってくれるようで、少し、安心した。




「そ、それにしても、まさか慎也くんと真生くんが知り合いだなんてすごい偶然!」




「あぁ、大学の同級生なんだよ、コイツとは」




「へー、そっかぁ、真生くん大学に入ってから家出てったんでしょ?美生さん、嘆いてたよー」




ケラケラと、私は、なるべく可愛らしく、昔の私を思い出しながら笑う。




「…てか、真生こそ、彼女とどういう関係?」




「あぁ、幼なじみだよ、家が近所だったんだ、でも、会うのは、5年ぶりくらいか?」




「…そうだね、にしても、真生くんたら、少し会わない間にさらに、かっこよくなっちゃって!!彼女とかよりどりみどりでしょ!?」