好きだなんて言わなければよかった【完】



なんだか、ズキズキと、鈍い痛みが胸を刺す。



いやいや、落ち着こう。気のせいだよ、…うん。




「どうかしたんですか?」



…!!



そんな私の態度に疑問を持ったのか、唐突に顔を近づけ、不思議そうに私を見る旭くん。




「…っ!!何でもないよ」



あまりに突然の出来事に驚いた私は反射的に、彼から顔を遠ざけた。




「…そんな、……けなくても……」



「…え?」



ポツリと、私にも聞こえないような小さな声で何事かを呟いた彼は、つまらなそうにため息をこぼす。




今、なんて言ったの?てか、何でため息…?私、なんかした!?




そんなことを考えてテンパっている私に、



「ほら、小夜子さん。行きますよ?いい加減帰らないとオレも親に怒られます」



先ほどまでと、うってかわって冷静な旭くんは、そう言い放つ。