好きだなんて言わなければよかった【完】



「…っ」


口惜しいけど、コイツの言うとおりだ。



女の私が男に力で適うはずないし、さっきから、私たちのいる通りには全然人が通らない。




私は、キッと、彼を睨みつけた。




「…ふ、それで挑発してるつもり?もう、めんどいし。はやくこっちきなよ?」




グイグイと、ひきずられるように引っ張られる私の体。


足で懸命に踏ん張っても、抵抗にすらなっていない。




…イヤ!!誰か助けて…!!



じわりと、瞳に涙が溜まっていくのを感じつつ、心の中でそう思った、その時、




「……おい。その人から手、離せよ」





そんな、聞き覚えのある声が私の後ろから聞こえてきた。