「もう、真生なんて、大学に入って、独り暮らしはじめたら全然帰ってこないんだもん!だから、紗綾ちゃんが帰ってきてくれて嬉しいわ。たまには、こっちの家にも遊びに来てね!」




「…美生さん」





そんな優しい言葉に、思わず涙がこぼれそうになる。




優しくて、私の大好きな美生さん。




「美生さん、ありがとう、ございます」





私は、そう呟いて、深々と頭を下げた。




「やーね、そんな他人行儀にしないでよ〜、私と紗綾ちゃんは、家族みたいなものなんだから」




「…はい」




私は、もう一度、頭を下げると、ニコリと、美生さんに向かって笑みを浮かべたのだった。