さっきまでの優しい口調を保ちながら、淡々と言葉を発する男の人。 「だ、大丈夫。真生くんと帰れるから…」 妙な違和感を感じつつも、なるべく平静を装って私は言葉をもらした。 「…子どもだけじゃ、危ないからね?なんならあの男の子も一緒に送ってあげるよ」 「…いたい!!おじさん、腕離して!」 無理やり、掴まれた腕は、どんどん力を増していく。 …っ、いや ヘラヘラと、笑う男の人に感じたのは、紛れもなく“恐怖”だった。