「…もう後悔したくないから、かな」 ストンと、言葉が胸に落ちてくるように感じたのは、たぶんそれが、彼の本心だから。 本音は、絶対に言わないタイプだと思ってたけどな。 その一言で、 あぁ、なんか適わないや…。 そう思わされてしまった。 「……街」 「…え」 「…街で買い物してから慎也さんのオススメの場所に行くんだって。…悪いけど、これ以上のことは、本当に知らないから」 素っ気なく言い捨てる私に、 「…ありがとう」 真生さんは、本当に嬉しそうにそう答えて、電話を切った。