好きだなんて言わなければよかった【完】



そこまで考えて、私は、慎也さんを見つめた。



真生くんと慎也さん…。


真生くんは、昔から、私が大好きな人。


そして、慎也さんは…?


…私にとって、友達…だよね?




「…紗綾ちゃん、大丈夫?」



突然、黙り込んだ私を心配したのか、慎也さんが優しくそう声をかけてくれた。



「…あ、はい。大丈夫です」




いつも、私を気づかってくれる優しい慎也さん。



“やっぱり、自分が思うより、相手から思われてるほうがいいよねー”



以前、小夜子が言っていた言葉が、ふと、頭をよぎる。