「…それに、真生、今、彼女いないって知ってたから…彼氏が浮気してるなら、私だって!みたいに思っちゃってて…」




そこまで言って明美さんは、申し訳なさそうに私をちらりと、見ると、



「あんな場面を紗綾ちゃんに見せるつもりとかこれっぽっちもなかったの、それに、私が無理矢理ってゆーか…とにかく、真生の意思ではないってゆーか…それだけはわかってほしくて……じゃ、言いたいことは、それだけだから。バイバイ、真生にゴメンって言っといて!!」




必死にそこまで言い放つと、くるりと、背を向け、来た道を戻って行く。




…ッ!え?…何がなんだか?





「…あと、ちょっと…まっ…」





私がそう呼び止めようとした頃には、既に明美さんの姿は、見えなくなっていた。