「…えーっと、紗綾ちゃんの友達?」
「紗綾の“親友”の小手川小夜子です」
“親友”という言葉を強調させながら、小夜子は、ニコリと微笑む。
…が、顔は、笑っていても、目が笑っていない。
明美さんも、そんな小夜子の態度に気づいたようで軽く眉をひそめた。
「…ふーん?でも、関係ない“他人”には、あんまり、話に入ってもらいたくないんだけど?」
「あれぇー?“元”彼女の藤宮さんも、真生さんと、紗綾のこと気にする必要ないですよねぇ。なんてったって、“元”彼女なんですから」
小夜子がそう言った瞬間、明美さんの口角がピクピクとひきつっているのがわかった。
さ、小夜子…マズいって…。
