好きだなんて言わなければよかった【完】

「…え?」



い、今、何て…




私が驚いて目を見開くと、




「本当は、オレ…紗綾ちゃんのこと好きだけど告白するつもりなくて……いや、告白したって…どうせ、フラれるのわかってたからさ」




「……」




「紗綾ちゃんが真生のこと好きだってことも知ってたし、紗綾ちゃんが幸せになれるならそれでいいって思ってた……でも、」




慎也さんは、そこまで言うと、自分の拳をギュッと、握りしめた。




「…でも、紗綾ちゃんが真生のことであんな風に悲しむ姿は、見たくない。紗綾ちゃんにはいつも笑顔でいてほしいんだ…」