―――…… 「あ、あの…し、慎也さん?」 「……」 私がそう声をかけても無反応な慎也さんは、何かを考えるように眉をひそめた。 真生くんの部屋を飛び出すように出た私と慎也さん。 あの時、慎也さんが連れ出してくれたことには本当に感謝している。 …けど、 慎也さん…どこに向かってるんですか? 私の手を握りしめ、引っ張る彼にそう尋ねたかったが、雰囲気的に聞くことができる状態じゃない。 それにしても、慎也さんって…あんな風に怒ったりするんだな…。 正直、驚いてしまった。