「あれは……」 なんだ? 唖然とする酒童に次いで、茨も腰を抜かして声を上げた。 「な、なんだありゃあ!」 この世のものとは思えぬ光景に、茨は度肝を抜かれている。 棘に続いて地面を覆う切りの中から、あたかも水面から顔を出したかのように、その全貌が姿を現す。 蜥蜴だ。 酒童たちが待機していたビルを見下ろすほどの、巨大な蜥蜴である。