先ほどまでの偉そうな態度はどこへやら、空亡は慇懃に頭を下げる。 「結論は変わらぬ。 酒童嶺子はいったん人どもに預けるとしよう。 あとは、その男次第だが」 「ありがとうございます、空亡どの」 地区長がそっと一礼する。 文句ありげな妖たちを背に従え、空亡は「帰るぞ」と響き渡る声で囁いた。