刀や絵巻、その他の書物や戦国時代の甲冑などが飾られた、博物館兼城の中には、無数の妖たちが跋扈している。
しかし人外の彼らにもモラルはあるらしく、食べ終えたものは、きちんとゴミ箱に捨てている。
そのためか、城内は全く汚れていない。
階段を登り、次の階段へ。
それを何度か繰り返し、酒童と鬼門は最後と思われる階まで登りつめる。
左に曲がったところには、襖に面した廊下がある。
鬼門はそこまで行って、虎が描かれた襖の前に仁王立ちする。
そして。
―――がらら、どん、と。
鬼門は勢いよく襖を開け放った。
「遅かったな、羅刹よ」
襖の奥の大広間。
その先頭にはこちらを振り返っている地区長と、ぞろぞろと群れる異形の影があった。


