羅刹の刃《Laminas Daemoniorum》



「無抵抗であれとは言わねえけど、あんまり激化させるなよ?
ここにはな、鬼より恐ろしい班長がいるからさ。
その班長に、騒ぎを起こさせるな、って言われてんだよ、俺は。
沙汰でも起こしたら、おまえら2人してしめられてたぞ、班長に」


 もちろん、班長は、そんな指示を出してはいない。

 酒童は少し嘘をついた。

だが班長の威力と言うのは絶大で、酒童らの羅刹入隊当時は、「鬼門さんがそう言った」というだけで、半数以上の隊員がそれに従ったのだ。

 その方法を今、酒童も行使している。

果たしてこんな子供騙しな言い方で信じてもらえるのかどうかは不明だが、この調子で放っておいて、さらに関係を悪くするようなことでもあれば、本当に鬼の班長がやってくる。

多少脅すようなやり方でも、注意するに越したことはない。


「はっ……。
そいつは怖えや。以後気をつけますよ」


 朱尾はといえば、毛頭も危機感を覚える様子がない。


(大丈夫か……?)


 榊も朱尾も、もともと義侠心が強いゆえ、短気で荒々しい。

sとsのマグネットが引き合わないのと同じように、彼らもよく似た性質上、反りが合わないのかもしれない。


 ある意味で、要注意だ。