私の中のもう一人の“わたし” ~多重人格者の恋~

「やりましたね、先輩……」

「何が?」

「何がって、こんな素敵な彼女を……いつの間に?」

「な、何言ってんだよ。俺だって彼女の一人や二人……」

「あ、あの……」

「ん?」

「“先輩”って?」


私は、大輔さんが言ったその言葉が気になったので聞いてみた。


「ああ。大輔は俺の高校の後輩で、お互いバレー部だったんだ。こいつが高校の時、時々コーチしてやってた。ああ、そう言えばおまえ達は同い年だな」

「ああ、そういう事なんですね?」


そうか、剛史さんはやっぱりスポーツしてたんだあ。だからあんなに引き締まった体つきなのね……


私は、今朝も見た剛史さんの、腹筋が割れた逞しい裸の胸を思い出し、思わず顔がポッと熱くなるのを感じていた。


「おまえ、なに顔赤くしてんだよ? 大輔の顔に見惚れたか?」

「えっ……?」

「図星か?」

「ち、違うわよ。何言ってるの?」


剛史さんは私の態度をそんな風に誤解したらしい。私はそれを大して気にしなかったけど、気にすべきだったと後に後悔する事に……